こんにちは。「薬剤師の歩き方」で記事を書いている、転職案内人です。
現役の薬剤師で、いまは5店舗を管轄する係長として働いています。薬剤師歴は12年になりました。
2年ほど前、私自身も一度立ち止まって転職活動をしたことがあります。何社かのエージェントに登録し、求人を見比べ、面談で話を聞いて……最終的には今の職場に残る判断をしました。ただ、あのとき色々なサービスを横並びで眺めた経験は、いま店舗のスタッフから「どこに登録したらいいですか」と相談されたときに、地味に役立っています。
このメディアでは、薬剤師向けの転職・派遣サービスを一つずつ取り上げて、業界での立ち位置と公式に出ている情報を整理しています。今回取り上げるのは「ジョブサポ薬剤師」。大阪で調剤薬局を運営する会社が手がける、比較的新しい転職支援サービスです。
先にお伝えしておくと、新しめのサービスのため、第三者の口コミや体験談はネット上にまだほとんど見当たりません。評判はこれから蓄積されていく段階です。だからこそ今回は、公式サイトの情報を丁寧に読み解き、どういう仕組みでどんな人に合いそうかを整理します。高齢化で在宅訪問や訪問薬剤管理指導のニーズが伸びるなか、「在宅医療に注力した転職支援」という打ち出し方は業界の流れとして注目に値する——それが取り上げる理由です。
1. 基本情報——運営会社と対応範囲
まずは事実の部分からです。
- サービス名:ジョブサポ薬剤師(「くれよんジョブサポート」の薬剤師版)
- 運営会社:M'sファーマ株式会社
- 設立:2012年12月
- 本社:大阪府堺市
- 母体事業:調剤薬局「くれよん薬局」の運営(大阪で6店舗・2025年12月現在)ほか
- 求人の中心:調剤薬局・病院(在宅医療関連、地方・人材不足エリア)
- 面談:Web・電話(関西エリアは対面も可)。平日夜22時まで・土曜対応
運営しているのはM'sファーマ株式会社。2012年12月設立で、本社は大阪府堺市にあります。この会社の母体事業は人材ビジネスではなく、調剤薬局の運営です。大阪で「くれよん薬局」を6店舗運営しており(2025年12月現在)、ほかに居宅介護支援や経営コンサルティング、採用代行、栄養指導といった、薬局と医療の周辺事業も手がけています。「ジョブサポ薬剤師」は、同社の人材サービス「くれよんジョブサポート」の薬剤師版という位置づけです。
紹介している求人は調剤薬局・病院が中心で、なかでも在宅医療関連の求人と、地方・人材不足エリアの求人に力を入れているとされています。勤務日数や時間を柔軟に調整できる求人もあると案内されています。なお、保有している求人の件数は公表されていません。
利用は完全無料です。面談はWebまたは電話で、関西エリアであれば対面も可能とされています。平日は夜22時まで、土曜日も面談に対応しており、面談後はLINEでやり取りできるという案内もあります。
サービスの流れは、フォームからの登録→カウンセリング→求人紹介・書類添削→応募・面接(企業によっては同行あり)→内定後フォロー、という一般的なエージェントの形です。
2. 主な特徴
ジョブサポ薬剤師の性格を一言でいえば、「薬局を運営している会社が、在宅医療と地方に的を絞って手がける転職支援」です。特徴を挙げます。
在宅医療と地方の求人に軸足を置いている
高齢化が進むなか、在宅訪問や訪問薬剤管理指導のニーズは年々伸びています。私の管轄する店舗でも在宅の依頼は確実に増えていて、この分野の経験は今後のキャリアの武器になると感じています。ジョブサポ薬剤師は、在宅医療に注力する薬局・病院と、薬剤師が足りていない地方エリアの求人を中心に扱うとしています。総合型の大手とは、最初から守備範囲の切り方が違います。
アドバイザー全員が薬剤師として働いた経験者
公式サイトでは、アドバイザーは全員が薬剤師としての勤務経験者と案内されています。母体はいまも薬局を運営している会社ですから、調剤現場の繁忙や在宅業務の実際を知ったうえで話ができる点は期待してよさそうです。
『ジョブサポ・メソッド』という独自の進め方
公式が打ち出している支援の型で、3つの要素からなります。
- 最低90分の面談で『キャリアカルテ』を作る。働きがいの源泉や市場価値を言語化する、とされています
- 求人票ではなく職場のリアルを見極めるマッチング。経営者の本気度・現場の空気感・評価制度を確認し、時には事前連絡なしで薬局を訪れることもあるそうです
- 入社後90日間の『オンボーディング支援』。入社後ギャップの相談役になる、という位置づけです
「件数・スピード」ではなく「深く向き合う」路線
公式サイト自身が、大手のような求人件数・スピード・効率では勝負せず、一人の薬剤師に深く向き合うことを売りにしています。小規模ならではの距離の近さを取るか、大手の選択肢の多さを取るか、という対比で考えると分かりやすいと思います。
3. メリット——公式情報から読み取れる強み
口コミの蓄積がまだ少ないサービスですので、ここでは公式に出ている仕組みから、利用するメリットになり得る点を整理します。
在宅医療への一歩を相談しやすい
「在宅をやってみたいけれど、未経験で不安」という相談は、店舗でもよく受けます。在宅に注力する求人を中心に扱い、アドバイザーが薬剤師経験者であるなら、在宅業務の実際——個人在宅と施設在宅の違い、医師や訪問看護との連携の温度感——まで踏み込んで聞きやすいはずです。
入職前後のギャップ対策が仕組みになっている
転職の失敗談で多いのは「入ってみたら聞いていた話と違った」です。職場のリアルを直接確かめるマッチングと入社後90日のオンボーディング支援は、まさにこのギャップへの対策です。公式サイトには、処方枚数が多く残業月20時間の職場(年収500万円)から、在宅に関われて残業ほぼなしの職場(年収520万円)へ移った事例や、MR経験者が調剤薬局へ転身した事例が載っています。あくまで一例ですが、目指す支援の方向性は読み取れます。
働きながらでも動きやすい面談設計
平日夜22時まで・土曜も面談対応で、面談後はLINEでのやり取りも可。日中は調剤室から離れられない薬剤師の実情に合った設計です。
90分の面談でキャリアを言語化できる
最低90分という面談時間は、初回面談としては長めの部類です。条件のすり合わせだけでなく、「自分は何にやりがいを感じるのか」を言葉にする時間と捉えれば、仮にすぐ転職しないとしても得るものはあるはずです。私自身、転職活動で一番時間がかかったのは希望の言語化だったので、ここに時間をかける設計には共感します。
4. デメリット・注意点
良い面だけでは公平な記事になりませんので、注意点も率直に挙げておきます。
対面サポートは関西が中心
拠点が大阪のため、対面での面談は関西エリアが中心で、それ以外の地域はWebか電話になります。地方の求人に強いとされる一方、サポート自体は遠隔が基本の地域が多い点は押さえておきましょう。
転職サービスとしての実績・口コミがまだ少ない
運営会社の設立は2012年ですが、ジョブサポ薬剤師というサービス自体は新しく、利用者の口コミや体験談はネット上にほぼ見当たりません。転職支援としての評判はこれから蓄積されていく段階で、「実績の多さで選びたい」という方には現時点で判断材料が足りないと思います。
求人数では大手に及ばない可能性が高い
求人件数は公表されていませんが、公式自身が件数やスピードで勝負しない方針を掲げていることからも、大手のような求人量は期待しないほうがよさそうです。多くの求人を一度に見比べる用途には向きません。
都市部の外来中心や企業求人を狙う人には合わない可能性
扱いの中心は在宅医療関連と地方エリアの調剤薬局・病院です。都市部で外来中心の薬局を探したい方や、製薬会社など企業求人を狙う方とは、得意分野がかみ合わない可能性があります。病院も、当直やオンコールの体制まで含めて幅広く比べたいなら、求人の母数が多いサービスとの併用が安心です。
5. 向いている人/向いていない人
ここまでを踏まえて、どんな方に合いそうかを整理します。
向いていると考えられる人
- 在宅医療に関わる働き方へ踏み出したい人
- 地方での転職や、Uターン・Iターンを考えている人
- 求人を数多く見るより、じっくり面談して進めたい人
- 入社後のフォローまで含めて伴走してほしい人
- 平日の夜や土曜しか転職活動の時間を取れない人
- MR経験など、調剤以外の経歴からの転身を考えている人
あまり向いていないかもしれない人
- 都市部で外来中心の薬局や、企業の求人を探したい人
- とにかく多くの求人を見比べてから決めたい人
- 利用者の口コミや実績の多さを判断材料にしたい人
- 関西以外で、対面でのサポートを重視する人
もちろん、これは傾向の話です。在宅や地方という軸が自分に合いそうなら、まず面談で話を聞いてみて、紹介される求人が希望とかみ合うかを確かめるのが確実です。
6. 他のエージェントとの併用が前提です
最後に、これは私がいつもお伝えしていることなのですが——転職サービスは1社に絞らず、2〜3社を併用するのが基本だと考えています。
ジョブサポ薬剤師の場合は、なおさらこの使い方をおすすめします。理由は二つあります。一つは求人の量を補うため。小規模なサービスだけだと、いま市場にどんな求人がどんな条件で出ているのか、相場感がつかみにくくなります。大手の総合型を1社かませて選択肢の幅を確保しつつ、在宅・地方の深掘りをジョブサポ薬剤師に期待する、という組み合わせが現実的です。
もう一つは、新しいサービスだからこそ、比較対象を持っておくためです。面談の質も提案の中身も、他社と並べてみて初めて「ここは丁寧だ」「ここは物足りない」と判断できます。常勤と並行して派遣という働き方も検討したい方は、アプロ・ドットコムのような派遣に強いサービスを組み合わせると、働き方の選択肢ごと広げられます。掛け持ちはマナー違反ではありませんので、安心して使い分けてください。
7. まとめ
ジョブサポ薬剤師は、大阪で調剤薬局「くれよん薬局」を運営するM'sファーマ株式会社が手がける、在宅医療と地方の求人に軸足を置いた転職支援サービスです。アドバイザー全員が薬剤師経験者であること、90分の面談・職場のリアルの見極め・入社後90日のフォローからなる『ジョブサポ・メソッド』、平日夜22時まで・土曜対応の面談設計など、一人ひとりに深く向き合う仕組みを丁寧に作っている印象を受けます。
一方で、転職サービスとしての歴史は浅く、口コミや体験談はこれから蓄積されていく段階です。対面サポートが関西中心であること、求人の量では大手に及ばない可能性が高いことも、あらかじめ知っておきたいところです。在宅医療や地方転職という軸を持っている方なら、大手と併用しつつ話を聞いてみる価値のあるサービスだと思います。
面談対応の時間帯やサービス内容は変わることがあります。気になる点は、登録時に直接確認してくださいね。あなたの働き方に合う一社が見つかることを願っています。
ジョブサポ薬剤師の登録はこちらから
在宅医療と地方の求人に強い転職支援サービス。アドバイザーは全員薬剤師経験者で、平日夜22時まで・土曜も面談に対応。登録・利用は無料です。
▶ 公式サイトで詳細を見る※本記事は、各エージェントの公式情報をもとに整理したものです。サービス内容・求人数・対応範囲・面談対応時間は時期により変動するため、最新情報は必ず公式サイトでご確認ください。