こんにちは、「転職案内人」です。現役の薬剤師として働きながら、5店舗を管轄する係長をしています。薬剤師歴は12年、自分自身も2年前に転職活動を経験しました(最終的には現職に残りました)。
「薬剤師 転職サイト 選ぶな」——この言葉で検索してこのページにたどり着いた方は、おそらく登録する直前で手が止まっているのだと思います。登録した方がいいのか、それとも登録しない方がいいのか。ネットには両方の意見があって、しかもどちらも自信満々に書かれています。
私は薬局側で採用面接をする立場でもあるので、「エージェント経由の応募者」と「直接応募の応募者」の両方を、受け取る側から見ています。その視点も含めて、なるべく正直に整理してみます。
先に結論——「選ぶな」の中身は3つに分かれます
①「ランキングの1位で選ぶな」という意味で言われているケース。これはその通りだと思います。
②「急かされて決めるな」という意味のケース。これも同意します。
③「そもそも使うな」という意味のケース。これは人によります。使わない方がいい人も実際にいますし、使った方が早い人もいます。この記事では、その境目をはっきりさせます。
1. 「転職サイトは選ぶな」と言われる3つの理由
理由① ランキングの順位が、必ずしも実力順ではないから
薬剤師の転職サイトを検索すると、「おすすめランキング」がずらりと並びます。そしてサイトによって1位がバラバラです。これを見て「順位に意味がないのでは」と感じた人が「ランキングで選ぶな」と言い出す、という流れが一番多いのだと思います。
正直に書いておくと、当サイトにもランキングページがあり、アフィリエイト広告による収益で運営しています(運営者情報に明記しています)。だからこそ、当サイトでは順位ではなく「目的」で選ぶという形を取っています。「全員にとっての1位」は存在しないからです。
派遣を探している人にとっての最適解と、病院への転職を狙う人にとっての最適解は、当然ちがいます。順位という1本の物差しに、性質のちがうサービスを並べること自体に無理がある——これが「ランキングで選ぶな」の正体だと考えています。
理由② 急かされて決めてしまった人の話が残っているから
「今決めないと、この求人は他の人に決まります」——こう言われて、納得しきらないまま返事をしてしまった、という体験談はかなり見かけます。当サイトでも急かされた実体験と、その見抜き方を記事にしています。
担当者にも成約の目標があるので、こうしたプレッシャーがゼロになることはないと思います。ただ、これは「転職サイトを使うな」の理由ではなく、「担当者のペースで決めるな」の理由です。区別しておいた方がいいところです。
理由③ 採用する側に、紹介手数料という重い負担が発生するから
ここが、あまり読者向けには語られない話です。
薬剤師を人材紹介会社経由で採用すると、薬局や病院は紹介手数料を支払います。相場は理論年収の30〜35%程度と言われています。理論年収500万円の方を採用すれば、150万円前後が採用コストとしてかかる計算です。地方や急募のポジションでは、これより高い料率が設定されることもあると言われています。
薬事日報の報道でも、中小薬局が人材紹介の手数料負担に強い不満を持っており、中途採用を諦めて新卒採用に切り替える動きがあることが取り上げられています。現場感覚としても、この数字は決して軽くありません。
だから「エージェント経由だと採用されにくくなる。だから使うな」という主張が出てくるわけです。ここは事実として認めた上で、次の章で「では直接応募が有利なのか」を掘り下げます。
2. 転職サイトを使わずに転職する方法は、実際にあります
まず前提として、転職サイトを使わずに転職している薬剤師はふつうにいます。使わない選択肢を並べておきます。
| 方法 | 向いている場面 | 注意点 |
|---|---|---|
| 公式サイトから直接応募 | 行きたい法人が決まっている/大手チェーンを狙う | 条件交渉を全部自分でやることになる |
| ハローワーク | 地元の中小薬局・地域に根ざした求人を探す | 求人票の情報量が少なく、実態が分かりにくい |
| 知人・元同僚からの紹介 | 職場の内情を先に知りたい | 合わなかったときに辞めづらい |
| 大学のキャリアセンター・同窓会 | 母校とのつながりが強い地域で探す | 求人の数自体は限られる |
| 直接応募型の求人サイト | 担当者とやり取りせず、自分のペースで進めたい | 応募後のサポートは基本なし(グッピー薬剤師などが該当) |
とくに「担当者から連絡が来ること自体が負担」という状態の方には、直接応募型のサイトやハローワークの方が合っていると思います。転職活動は、心身に余裕がないときほど「連絡の多さ」が効いてくるので。
3. 採用する側から見ると、直接応募とエージェント経由は何がちがうのか
ここが、この記事でいちばん書きたかったところです。
手数料の存在は、たしかに意識されます
先ほどの通り、紹介手数料は理論年収の3割前後です。採用する側がこれをまったく意識していない、と言えば嘘になります。同じくらいの経験・条件の応募者が2人並んだとき、コストがかからない方が採用しやすい——そういう場面は現実にあります。
ただ、それが「直接応募なら有利」に直結するわけではありません
理由は3つあります。
ひとつ目。採用は「安い方を採る」競争ではなく、「その枠に合う人かどうか」の判断だからです。在宅の同行ができる人を探しているときに、コストが浮くからという理由で条件の合わない人を採ることはありません。手数料は、あくまで最後の一押しの材料です。
ふたつ目。そもそも紹介会社にしか出していない求人があります。管理薬剤師の交代や、退職が決まっているのに公表できないポジションなど、公にしにくい募集は表に出せません。この場合、直接応募という選択肢そのものが存在しません。
みっつ目。これが現場としては一番大きいのですが、採用にとって本当に痛いのは手数料ではなく、早期に辞められることです。
入職して3か月で「聞いていた話とちがう」と辞められると、手数料の返還規定があっても、現場に残るダメージは戻ってきません。募集からやり直しになり、その間のシフトは既存メンバーで埋めることになります。条件のすり合わせが甘いまま入職してしまうことの方が、よほど高くつきます。
この点では、間に人が入って条件を事前に詰めてくれるエージェント経由には、採用する側から見てもメリットがあります。「残業は月何時間か」「在宅の件数はどのくらいか」といった、応募者本人が直接聞きにくいことを代わりに確認してくれるからです。
4. 転職サイトを使わない方がいい人
ここまでを踏まえて、境目を整理します。まず「使わなくていい」と思うケースです。
- 行き先がすでに決まっている——知人の紹介、出戻り、家業を継ぐなど。この場合、間に会社を挟むと手数料の分だけ話がややこしくなります
- 地元の小規模薬局だけを狙っている——手数料の負担を避けて、紹介会社に求人を出していない薬局は珍しくありません。ハローワークや直接応募の方が届きます
- 今の職場に残る前提で、相場だけ知りたい——それなら年収相場のまとめを読む方が早いです。相場を知るためだけに登録すると、連絡が続いて疲れます
- 連絡のやり取り自体がしんどい状態にある——体調やメンタルに余裕がないときは、自分のペースで進められる方法を選んでください
5. 転職サイトを使った方がいい人
- 在職中で、平日に動く時間がない——求人探しと日程調整を代行してもらえる価値がいちばん大きく出ます
- 条件の交渉が苦手——年収や勤務時間を自分で切り出すのが苦しい人は、間に入ってもらった方が結果的に納得できる条件で決まることがあります
- 病院・企業など、窓口が分かりにくい領域を狙っている——病院や企業は募集の出方が読みにくく、情報を持っている会社の力が効きます
- 複数の求人を横並びで比較したい——1社だけだと比較の軸ができません(何社使うべきかも参考にしてください)
- ブランク・転職回数など、伝え方に不安がある——書類の書き方や面接での伝え方を相談できます(職務経歴書の書き方/転職回数の見られ方)
とくに「条件のすり合わせを丁寧にやりたい」タイプの方には、求人を一件ずつオーダーメイドで組み立てるファーマキャリアのような形のサービスが向いています。反対に、まず求人の量を見たいのであれば、ファゲットのように扱い件数の多いサービスから見ていくのが早いです。
6. 「選ぶな」の本当の意味は、「ランキングだけで選ぶな」
ここまで書いてきて、私なりの結論はこうです。
「転職サイトを選ぶな」は、「転職サイトを使うな」ではなく、「順位を鵜呑みにして、1社だけを盲信するな」——そう読み替えるのが、いちばん実態に近いと思います。
実際、失敗したという話の多くは「転職サイトを使ったこと」ではなく、「1社の担当者の言うことだけを判断材料にしたこと」から起きています。比較対象がないと、提示された求人が良いのか悪いのか判断できません。
7. 使うと決めた人が、最低限やっておくこと
- 2〜3社に登録して、比較の軸を作る(1社だけだと良し悪しが判断できません)
- 「今決めないと」と言われたら、その場で返事をしない(一度電話を切って構いません)
- 応募前に、必ず自分の同意を取ってもらう(勝手に応募されると、直接応募の道も塞がります)
- 「なぜこの求人を勧めるのか」を聞く(理由が説明できる担当者かどうかが分かります)
- 合わないと感じたら、担当者の変更を申し出る(会社の窓口に伝えれば対応してもらえます)
3つ目は地味ですが大事です。同じ求人にエージェント経由と直接応募の両方から応募してしまうと、採用側で重複が発覚してトラブルになります。どちらの道も残しておきたいなら、応募先の管理は自分でしてください。
8. まとめ
「転職サイトは選ぶな」という言葉には、それなりの根拠があります。ランキングは全員に共通の正解ではありませんし、採用する側には紹介手数料という現実の負担もあります。
ただ、それは「使わない方がいい人がいる」という話であって、「誰にとっても使わない方がいい」という話ではありません。行き先が決まっている人には不要ですし、在職中で時間がない人には強い味方になります。
迷っているなら、判断の順番はこうです。まず「使わない選択肢で足りるか」を考える。足りないなら、順位ではなく目的でサービスを選ぶ。そして1社に絞らない。この順番で考えれば、「選ぶな」という言葉に振り回されずに済むはずです。
よくある質問
Q1. 転職サイトを使うと、採用されにくくなりますか?
手数料の分だけ採用側の負担が増えるのは事実なので、条件がまったく同じ2人が並べば影響することはあります。ただ、採用は「その枠に合うかどうか」の判断が先で、手数料は最後の一押しの材料です。また、紹介会社にしか出していない求人もあるため、「使うと不利になる」と一概には言えません。
Q2. 同じ求人に、直接応募とエージェント経由の両方から応募したらどうなりますか?
やめておいた方がいいです。採用側で応募が重複していることが分かると、どちらを優先するかで話がこじれます。手数料の発生する・しないが絡むため、応募者本人の印象にも影響しかねません。エージェントに任せる求人と、自分で応募する求人は、はっきり分けて管理してください。
Q3. 登録したら、必ず転職しないといけませんか?
そんなことはありません。情報収集だけの登録も一般的です。ただし「今は情報収集の段階です」と最初に伝えておくと、その後のやり取りがかなり楽になります。伝えないままだと、転職意欲が高い人として扱われて連絡が増えます。
Q4. このサイトもランキングを作っていますよね?
はい、作っています。そしてアフィリエイト広告による収益で運営しています(運営者情報に明記しています)。だからこそ、順位そのものより目的別の使い分けを前に出す形にしていますし、この記事のように「使わない選択肢」も並べています。判断の材料は、多い方がいいと思っているからです。
Q5. 転職サイトを使わない場合、条件が適正かどうかはどう判断すればいいですか?
相場を先に知っておくのがいちばん確実です。年代別・業態別・地域別の年収相場を目安にして、提示された条件と比べてみてください。あわせて、良い薬局の見分け方で「給与以外の条件」も確認しておくと、入職後のギャップが減ります。
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- 面接の準備をしたい → 転職面接でよく聞かれる質問
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